労働衛生コンサルタント受験② 筆記試験 医師はどの科目の免除申請をするのがよい?

この記事は約5分で読めます。
せり
せり

こんにちは!せりです。

労働衛生コンサルタントは、合格率3割ともいわれる難関です。

試験は筆記試験と口述試験によって行われますが、医師は筆記試験を一部免除にすることもできます。

しかし、どの科目を免除にすべきかは悩ましいところ。令和5年度(第51回)労働衛生コンサルタント試験に合格したせり産業医の経験をお話しします。

今回は、筆記試験を全科目免除にせず(できず?)筆記試験を受験する場合の科目選択について。

せり産業医はどうしたんですか?

せり
せり

必須科目の「労働衛生関係法令」の1科目だけ受験しました。その理由についてお話します。

労働衛生コンサルタント(保健衛生) 筆記試験の概要

労働衛生コンサルタント(保健衛生)筆記試験はこの3科目。

  • 労働衛生一般    (択一式 30問) 試験時間2時間
  • 労働衛生関係法令  (択一式 15問) 試験時間1時間
  • 健康管理 (記述式 4問中2問を選択) 試験時間2時間

(参考:公益財団法人 安全衛生技術試験協会) 

問題数は特に公表されていませんが、おそらく毎年同じです。過去2年分の問題は安全衛生技術試験協会よりダウンロードできます。

このうち医師が免除申請できるのは「労働衛生一般」「健康管理」

当然、両方免除申請するでしょ、と考えていたのですが、ググってみると必ずしもそうではないようです。

1科目受験か2科目受験か

筆記試験の合格基準は正答率6割。しかし、それぞれの科目で6割とらなくても、他の科目でカバーしてもよいのです。

合格基準
〈 学科試験 〉科目ごと(第一種衛生管理者試験の科目のうち範囲が分かれているものについては範囲ごと)の得点が40%以上で、かつ、その合計が60%以上で あること。

(公益財団法人 安全衛生技術試験協会)

労働衛生関係法令」はあまり馴染みがないけれど、必須なので受けるしかないですよね。でも、この毎年いろいろ改定されてややこしい「労働衛生関係法令」1科目で6割目指すよりも、少しはわかりそうな「労働衛生一般」でカバーするのもありかも・・・

そう思いますよね。

「労働衛生関係法令」1科目受験のメリット

  • 2科目受験より筆記試験対策の時間が少ない
  • ややこしい法令の勉強に集中して取り組める

「労働衛生関係法令」1科目受験のデメリット

  • そのややこしい法令で6割取らなくてはならないというプレッシャーが半端ない
  • 口述試験対策として、どっちみち免除申請した科目の範囲は勉強することになる

さて、どうするか。

労働衛生コンサルタント試験の過去問をみる

百聞は一見にしかず。安全衛生技術試験協会から過去問をダウンロードして解いてみましよう。

労働衛生関係法令」に手ごたえがあれば1科目受験でよいでしょうし、「労働衛生一般」が解けそうであれば2科目選択で保険をかけるのもありです。

ちなみに、昨年の今時点で、私の「労働衛生関係法令」の正答率は 3/15(!!)でした。

実はせり産業医、産業医の経験年数は長いけれど、経験は事務職場のみ。

事務職場関連はわりと自信をもって答えられました(といっても3問しかありません)が、それ以外の有害物質や機械については全くわかりません。

労働衛生一般」も似たり寄ったり。範囲も広いし、私にとっては、「常識で解ける」と言えるような問題はほとんどありませんでした。

記述式の「健康管理」。〇〇について説明せよ、という形式の問題がずらーっと並びます。 こちらも、メンタルヘルスや健康診断など事務職場と関係が深い問題はなんとかなりそう・・・と思っていましたが、違いました。自分が日々当たり前にやっていることでも言葉にしてまとめるのは意外と難しいです。少なくともわたしは準備が必要なタイプです。

となると、大丈夫な分野は…ありませんでした。がーん。

「労働衛生関係法令」1科目受験に決める

筆記試験の申込受付はだいたい7月いっぱい。ですから、7月中旬くらいまで勉強してみて、無理そうなら今年度はやめればよいだけです。

あまりの過去問の難しさにうちのめされながらも、そう開き直り、受験科目は必須の「労働衛生関係法令」一本でいくことに決めました。

理由は、こんなにわからないのでは、他の科目にまで手を出している時間はないから。

「労働衛生一般」もそれなりに難しく、他の科目をカバーするほどの点数を取るためには相当な時間と努力が必要そうです。

しかも、仕事やら何やらしながら勉強するわけで、自分のペースで勉強できるとは限りません。

なんといっても、試験勉強や暗記が久しぶりすぎて。沢山のことをいっぺんに覚える自信がありませんでした。

結論:「労働衛生関係法令」の1科目のみ受験

せり
せり

結果的に1科目に絞ったのは良かったです。法令をきちんと理解するとあとがラクですし、科目が違っても同じ分野の話なので、勉強しているうちに他の科目の範囲も少しづつ覚えていきました。

ちなみに、口述試験対策をするうちに、免除申請をした科目の過去問も6割はきちんととれるようになります。

まとめ

  • 医師は筆記試験の免除申請をすることで、筆記試験3科目のうち「労働衛生関係法令」1科目のみの受験とすることができます。
  • 合格基準は科目ごとの得点が40%以上、全体で60%以上なので、「労働衛生関係法令」だけでなく、他の科目も受験して得点をカバーする方法もあります。
  • 安全衛生技術試験協会から過去問をダウンロードして解いてみて、1科目受験か2科目受験かを決めるのが良いです。
  • せり産業医のおすすめは1科目にしぼって受験です
せり
せり

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は、実際の勉強方法、参考書などをご紹介します。

お楽しみに。