こんにちは!せりです。
労働衛生コンサルタントは、合格率3割ともいわれる難関です。
試験は筆記試験と口述試験によって行われます。
筆記試験を「労働衛生関係法令」1科目にしぼり、15問中13問正答した勉強法を、令和5年度(第51回)労働衛生コンサルタント試験に合格したせり産業医がお話しします。
受験科目を「労働衛生関係法令」1科目に絞ることに決めたら、さっそく勉強法を考えます。
筆記試験対策に使ったもの
- 第1種衛生管理者受験用テキスト
- 第1種衛生管理者受験用問題集
- YouTube
- サイト:「実務家のための労働安全衛生のサイト」
- 労働基準監督署に置かれていたパンフレット
第1種衛生管理者受験用テキスト
「衛生管理者!?労働衛生コンサルタント受験の話でしょ?」と思われるかもしれませんが、労働衛生コンサルタント受験用のテキストはAmazonに数種類置かれている程度で、かなり大きめの書店でも見つけられませんでした。
私は、参考書は手に取って選びたい派です。いくつかの労働衛生コンサルタント受験体験記でも衛生管理者受験用のテキストで勉強したと書かれていたので、ネットでいくつかあたりをつけて書店で選んだのがこれ。
「改訂版 この1冊で合格!村中一英の第1種衛生管理者」KADOKAWA
選んだポイント
- 2023年に改定していた
法令改正点が出題のヤマなので、どんなに評価が高くても出版年が古いものは買えません。古いものを覚えたら無駄どころか有害です。新しいもの、できれば”〇年度試験対応”がよいです。 - 適当にイラストが入っていた
…子供じゃないけれど、字だけだとちょっとムリ - 赤シートがついていた
勉強していると、気づくと字だけ追って内容が全く頭に入っていないことがありますよね(私だけ?)。その点、赤シートで文字を隠しながら読むと少しは集中力が上がるし、眠気防止にもなるので好きなのです。
勉強法
1周目は1冊通して全部読み、2周目は法令の部分だけじっくりと読む。
受験科目は法令だけですが、合格すれば口述試験もあるので、とりあえず1周目は全部通して読みました(労働基準法以外)。2周目は法令の部分を赤シートで隠しながら覚えるようにしました。
第1種衛生管理者受験用問題集
「第1種衛生管理者一問一答パーフェクト1500問(’23~’24年版)」秀和システム
テキストを読んでも覚えられない!ということで、一問一答形式のドリルを買いました。
法令の部分しか解かなかったですし、いらない人はいらないかも。
選んだポイント
- ’23~’24年版だった
上のテキストを選んだ基準と同じです - 一問一答形式の問題集が好き
勉強法
テキストを1周目は1冊通して全部読んだ後、法令の部分だけ問題を解く。わからなかったところをテキストで確認。
衛生管理者受験用問題集では衛生管理者については繰り返し出題されるのに、労働衛生コンサルタントの過去問では労働衛生コンサルタントについてほとんど出題されていないことが気になりました。そうしたら、令和5年度に出ました。
気になったことは調べておくとよいです。
YouTube
安全衛生管理体制で覚えなくてはならない人数や、有害物質の名前など、試験対策はとにかく覚えることが多い!
YouTubeの語呂合わせは家事をしながら楽しく覚えられて本当に助かりました。
これがなかったらきっと落ちてた…。
この「製造禁止物質・許可物質」は本当に助かりました!
ほかの動画も繰り返し(何かをしながらでも)流して、のぐちゃん先生の口調が頭で再現されるようになったらしめたものです。
「のぐちゃん先生」のチャンネルになかったものや、比べてみてこっちの語呂合わせの方が好きだったものなどお世話になりました。
※4年前の動画ですので変更がないか注意してください。
勉強法
ながら見で全然OK!とにかく何度も再生してぷぷっと笑いながら覚えていきましょう
サイト「実務家のための労働安全衛生のサイト」
実務家のための労働安全衛生のサイトは、長年労働安全衛生行政に携わってこられた方が運営しているサイトです。2012年度から最新年度までの過去問と解説が掲載されています。
筆記試験対策だけでなく、口述試験対策でも、合格してからも間違いなくお世話になるサイトです。
選んだポイント
- 2012年度から最新年度までの過去問と解説が掲載
解説がとても充実しています。合格してからの実務でも役立ちそうです。 - 受験支援情報が豊富
勉強法
- もっとも時間をかけたところです
- 過去問は掲載されている年度分全部解きました
- 正答できなかった問題やあやふやな問題は解説やテキスト、厚労省のパンフレット等を読み、できるまで繰り返しました
「労働衛生関係法令」は15問なので、10年分でも150問です。最初はあまりのできなさに気絶しそうでしたが、類似問題もあるので年度を進めていくうちに段々手ごたえがつかめてきました。
過去問を解く順番ですが、古い年度のものは法令改正で問題自体が成立しない(そのような問題もきちんとフォローして問題や解説も修正してくださっていますが)ものもあり、出題型式も変わってきているので、私は新しい年度のものから解いていくのをお勧めします。
労基署でもらったパンフレット
労基署においてあるパンフレットは、新しく変わった点があり、特に知っておいてほしい要点をぎゅっとまとめ、限られたスペースに厳選して置いています。
そして、それは労働衛生コンサルタント試験で受験者に要求されることと同じです。
実際に、私は労基署から持ってきたパンフレットから2問出ました(電離放射線障害防止と石綿)。
そもそも、何をしに労基署に行ったのですか?
職場に受験のことを言いたくなかったので(落ちたら嫌だし)、筆記試験の受験申請手続きに必要な医師免許証のコピーの裏に事業者による原本証明をもらう代わりに、最寄りの労働基準監督署で証明してもらおうと思ったのです。
(労基署以外でも証明できるところはあります。詳しくは「受験申請書とその作り方」をご覧ください)
厚労省のサイトや労基署のサイトからもパンフレット等は手に入りますが、旬の情報を求めに労基署に足を運ばれるのもよいかもしれません。
筆記試験対策にはあまり使わなかったもの(口述試験対策に使用)
- 労働衛生のしおり(令和5年度)中央労働災害防止協会
- 衛生管理(上)第1種用 中央労働災害防止協会
- 衛生管理(下)第1種用 中央労働災害防止協会
別に中災防に含むところがあるわけではありません。
これらは、「労働衛生関係法令」1科目の筆記試験対策には少し詳しすぎる(あくまでも私の意見です)と考え、時間もなかったので筆記試験対策にはあまり使いませんでした(口述試験対策ではとてもお世話になりました)。
ただし、「衛生管理(下)第1種用」は、法令がわかりやすくまとまっています。ネットで法令を調べると、法律→省令と別々に調べなくてはなりませんが、関連法令がまとめられているので確認するときに便利です。
また、労働衛生のしおりは、毎年最新版が8月末に発行されて、筆記試験当日まで読み込むには時間がないこと、試験範囲(当該年度4月1日現在施行)ではない、将来のトピックが目立つように掲載されていて、無理やり知識を詰め込んだ頭が混乱しそうだったことから、あまり筆記試験対策には使いませんでしたが、「第二編 最近の健康管理等の動向」のうち、試験範囲に該当するところだけチェックしておくのがおススメです。
繰り返しになりますが口述試験対策には大変有用でしたし、とても良い参考書なので、早めに読めるなら読んだ方がよいです。
まとめ
筆記試験対策に使用したのは、以下の通りです。
- 「改訂版 この1冊で合格!村中一英の第1種衛生管理者」KADOKAWA
- 「第1種衛生管理者一問一答パーフェクト1500問(’23~’24年版)」秀和システム
- YouTube 衛生管理者【のぐちゃん先生】公式チャンネル とろろ塾*OL保健師
- サイト:実務家のための労働安全衛生のサイト
- 労働基準監督署に置かれていたパンフレット
いろいろと書いてきましたが、たまたま出題された問題と相性が良かったということもあるので、皆さんにあてはまるとは限りません。
こんな風に勉強する人もいるんだなー、と考えて使えそうだと思ったところを参考にしていただけたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回は、筆記試験当日レポート の予定です。
ぜひお読みください。