労働衛生コンサルタント受験⑦ 口述試験対策・勉強法2

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せり
せり

こんにちは!せりです。

労働衛生コンサルタントは、合格率3割ともいわれる難関です。

私は令和5年度(第51回)労働衛生コンサルタント(保健衛生)試験に合格しました。

今回は前回の記事でお話しした口述試験対策・勉強法の続きです。
ぜひ最後までお読みください。

口述試験対策に使ったもの

口述試験対策に使ったものは以下の通りです。1~5までは前回の記事で説明しましたので、今回は、6~7について解説します。

  1. 労働衛生のしおり(令和5年度)中央労働災害防止協会
  2. 衛生管理(上)第1種用 中央労働災害防止協会
  3. 行政のパンフレット
  4. サイト:「実務家のための労働安全衛生のサイト」
  5. Kindle(Amazon)の口述試験対策本
  6. 日本労働衛生コンサルタント会の口述試験受験準備講習会(12月中旬)
  7. YouTube

日本労働衛生コンサルタント会の口述試験受験準備講習会(12月中旬)

労働衛生コンサルタントの口述試験対策では必ずといっていいほど紹介されている講習会です。

口述試験準備講習会は12月中旬開催ですが、9月下旬に日本労働衛生コンサルタント会のサイトに告知が出て10月初めに申し込みでした。

私が申し込んだときはハイブリッド型式の開催でオンライン受講枠が200名分ありましたが、有名な講習会で絶対に受講したかったので申込開始時刻にスタンバイ。産業医資格を持っている場合には産業医認定証番号を入力する必要があり、手帳を取りに行ってバタバタしましたが、無事に申し込みできました。29000円なり

この研修会は大変有用でした。 前半の総論的な話も、後半の膨大なスライドとともに解説される各論的な話も、最後の合格体験者の話も大変励まされ、役に立つ内容でした。

ただ、不満な点が二つあります。

一つ目は開催時期が遅いこと。12月中旬にこの資料をもらってから勉強を始めるのでは到底間に合いません。

資料には、噂に名高い一問一答形式の問いが100題以上載せられていますが、解答はないので自力で解答を作らなくてはなりません。

12月中旬に初めてこれを見て合格できる人は、すでに労働衛生に精通しているか、よほどまとまった時間がとれるか、ものすごく頭の良い人でしょう。

二つ目は、事前配布された資料には肝心の”膨大なスライド”が一枚も載っていなかったこと。

とても大事なことを言っているのにメモをとるのが追い付かず、困りました。結局1週間後に配信された動画を一時停止しながら見返すことになりました。

(当日はオンラインから質問もできたので、全く見ないで後日の配信だけを見るのはお勧めしません。)

そんな不満はありつつも、前半部分で「ヤマ」を、後半部分で口述試験に必要な「実践レベルの知識」を、最後に合格体験記で実際の勉強法や口述試験本番の様子(試験官の態度に惑わされないこと など)を知ることができたので、この講習会は受講してよかったです。

講習会後は、この資料をもとにすでに作っていた一問一答をブラッシュアップしました。

また、講習会では工場や建築現場など様々な職場の写真を見て考えられるリスクと対策をあげていくという問題が出されたのですが、ぱっと「この職場なら熱中症と化学物質ばく露と火傷のリスクがあるから対策はあれとこれと…」という風に知識を横断的につなげられていないことがわかったので、職場ごとのリスクと対策をあげていく練習をしました。

(こういうのは、特に準備しなくてもその場で即答できる人もいると思います。そういう方は、「世の中には会話の瞬発力が0の人もいるんだなー、そんな人の口述試験対策って大変だなー」、くらいに思ってスルーしてください)

YouTube

筆記試験対策でもお世話になったYouTube。もちろん、今回は語呂合わせではありません。
ちょっと覚えづらいところ、イメージがわかないところ、確認しておきたいところを、家事などをしながらながら見するのです。

いろいろな動画を見ましたが、特にお世話になったのが下の2つのチャンネル。

縄本労働衛生コンサルタント・社会保険労務士事務所 の動画は、労働衛生コンサルタントの先生が運営しているチャンネルです。

リスクアセスメント、化学物質の自律的管理、クリエイトシンプルなど、ややこしいけれど間違いなくヤマという範囲をわかりやすく解説していて、とてもありがたかったです。

MHLWanzenvideoは、厚生労働省のチャンネルです。最近の動画ではなく、2年前に出された動画を見ていました。

例えば「外国人労働者向け安全教育資材(日本語)」は外食業から建設業一次産業まで様々な職場の安全教育用動画が揃っています。短くわかりやすい日本語(多様な言語のバージョンがあるのでお好きなものを選ぶとよいです)のアニメや実写です。「安全」教育資材なので、衛生については少なめですが、見たことのない業種のイメージをつかむのに有用でした。

そのほか、外国人向けというわけではない「陸上貨物運送業」や「保健衛生業」のシリーズもあります。これらは第14次労働災害防止計画重点事項に取り上げられていた業種ですので、必要であれば見ておくのもよいかもしれません。

声に出して解答する練習をする

試験2週間前くらいからは、音声での問い声に出して解答する練習を始めました。

前述した口述試験受験準備講習会では、合格者の方が「職場の人に問題を出してもらって答える練習をした」と言っていましたし、kindleの口述試験対策本にも「仲間内で問題を出し合う」という記載がありましたが、そのようなことを頼める人はいません。そこで、文明の利器に頼ることにしました。

パソコンの音声読み上げです。

もっと良いアプリもあるのかもしれませんが、それを調べる時間も惜しいので、口述試験の本番のような構成で作った想定問題をワードで作り、それを音声読み上げモードで読み上げさせ、一時停止して答えを言うという練習をしました。ワードが正しく読めない言葉もありますが、それは脳内で補完します。

そして、それを横に置いたiPadで録音し、区切りの良いところで聞きなおすのです。

これは本当にやってよかったです。
問題文を読んで書いて答えるのと、音声で聞かれて声に出して答えるのは全然違いました。

答えた瞬間はうまくいったと感じていても、録音した答えを聞きなおすと、口ごもっていたり、変な間があいていたり、なぜか的外れなことを答えていたりと、思いのほかひどく、頭を抱えました。

しかし、繰り返すうちにだいぶましになり、いわゆる「普通の」問題が出されれば、まずまず答えられるのではないか、という手ごたえを感じられるようになってきました。

さて、本番がどうなったか。次の記事で書いていきたいと思います。

まとめ

前回に引き続き、口述試験対策と勉強法を紹介しました。使用したのは以下の通りです。

  1. 労働衛生のしおり(令和5年度)中央労働災害防止協会
  2. 衛生管理(上)第1種用 中央労働災害防止協会
  3. 行政のパンフレット
  4. サイト:「実務家のための労働安全衛生のサイト」
  5. Kindle(Amazon)の口述試験対策本
  6. 日本労働衛生コンサルタント会の口述試験受験準備講習会(12月中旬)
  7. YouTube

口述試験は本当に苦手です。雑談も苦手ですが、とっさに適切なことが言えなくて、後になってから「ああ言えば良かった」と悔しがるのが常です。パワーポイントで産業医講話をする時も、一言一句台本を作り、何度か声に出して読んで、自然な話し言葉になるまで書き直しているくらいです。

臨機応変な対応やとっさの一言に自信がないので、口述試験対策はかなり頑張りました。

もしかしたら、口述試験や会話力に自信がある方は、ここまでの準備は必要ないかもしれません。

こんな風に勉強する人もいるんだなー、と考えて使えそうだと思ったところを参考にしていただけたら嬉しいです。

せり
せり

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回は、いよいよ口述試験本番についてです。

またお会いしましょう。