安全衛生委員会は事務職場にも必要?【設置要件・開催頻度・構成員について解説】

衛生委員会
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※記事を読みやすく再構成・分割しました

せり
せり

こんにちは!せりです。

職場の安全衛生に関わる指針、ガイドラインを見ると必ず出てくる安全衛生委員会事務職場にも必要なんでしょうか?

この記事では、事務職場安全衛生委員会の設置要件について、できるだけわかりやすく解説します。

安全衛生委員会をオンラインで開催する方法はこちら!

安全衛生委員会について質問されることはよくあります。

本社から安全衛生委員会毎月開催するように言われたんですけれど、メンバ-は産業医の先生と、あとは適当に誰か入れておけばいいですよね?

そもそも、うちの職場は事務作業中心ですし、危険な物もないから安全衛生委員会なんていらないですよね?

いえいえ、ちょっと待って!

安全衛生委員会の設置には法令で定められた要件があります。

まず、ご自分の職場(=事業場)がどの委員会を設置する義務があるのか確認しましょう(もちろん、設置義務がなくても設置するのはOKです)。

安全衛生委員会とは?

そもそも安全衛生委員会とは、

安全委員会衛生委員会を合わせたものです

その委員会が何なのかは今はおいておいて、初めにそれぞれの委員会の設置要件を確認します。

ご自分の会社のメイン業種ではなく、ご自分の職場の業種を見ることがポイントです。

(例:建設業の会社の支社。社員は53人。人事や経理などの事務作業をしている →建設業ではありません。)

安全委員会を設置しなくてはならない業種

安全委員会の設置義務は、業種と規模によって以下のように決められています。

林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、
化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、
運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、
機械修理業並びに清掃業
50人
運送業及び清掃業
製造業(上の項目の物を除く)、電気業、ガス業、熱供給業、
水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、
各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、
ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業
100人
労働安全衛生法第17条ほか

労働安全衛生法 第17条(安全委員会)

事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。
一 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項
2(以下略)

労働安全衛生法施行令 第8条 (安全委員会を設けるべき事業場)

法第17条第一項の政令で定める業種及び規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。
一 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業 五十人
二 第二条第一号及び第二号に掲げる業種(前号に掲げる業種を除く。) 百人

労働安全衛生法施行令 第2条 (安全委員会を設けるべき事業場

第二条 労働安全衛生法(以下「法」という。)第十条第一項の政令で定める規模の事業場は、次の各号
に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。
一 林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業 百人
二 製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 三百人

上の職種に入っていない、もしくは入っていても人数が満たない場合には安全委員会の設置義務はありません。

衛生委員会を設置しなくてはならない業種

衛生委員会を設置しなくてはならないのは、常時50人以上の労働者を使用する事業場です。

こちらは、業種は関係ありません

つまり、安全委員会を設置するところは、必ず衛生委員会も設置することになります。

その場合には、別々に設置するのではなく、合わせて安全衛生委員会として設置してもよいことになっています(労働安全衛生法第19条)。

労働安全衛生法 第18条(衛生委員会)

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
(以下略)

労働安全衛生法施行令 第9条(衛生委員会を設けるべき事業場)

法第18条第一項の政令で定める規模の事業場は、常時50人以上の労働者を使用する事業場とする。

・衛生委員会は業種を問わず常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置しなくてはならない。
・安全委員会を設置するところでは、合わせて安全衛生委員会として設置してよい。

事務職場に設置しなくてはならないのは?

事務職場は、安全委員会設置の業種に含まれていませんので、

常時50人以上の労働者が働いているのであれば、衛生委員会の設置が必要となります。

事務職場に設置するのは、衛生委員会だけでオッケーです。

衛生委員会の開催頻度

衛生委員会は毎月1回以上開催しなくてはなりません (労働安全衛生規則第23条)。

衛生委員会の構成員

衛生委員会の構成員は労働安全衛生法第18条によって

  1. 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
  2. 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
  3. 産業医のうちから事業者が指名した者
  4. 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者

とされていて、このうち①以外の半数の委員については労働者の過半数を代表するものの推薦に基づき指名することとなっています。

よく、衛生委員会の最低要件は5人と書かれているのは、下のようなパターンです。

例:
①総括安全衛生管理者 1人
②産業医 1人 + ③衛生管理者 1人 =2人
④衛生に関する経験を有する労働者 2人 (組合などからの推薦あり)

 
←①以外の半数を組合などからの推薦に基づき指名できる。

労働者の過半数で組織する労働組合があれば労働組合の推薦に基づいて委員を指名しますが、労使交渉のような対立の場ではないということを、産業医研修会でも繰り返し言われました。

人数を絞っても、みんな忙しくてなかなか揃わないんですよ!

これもよく聞く悩みです。しかし、それならオンラインチャットメーリングリストという手もあります。

詳しくは下の記事をお読みください

まとめ

安全衛生委員会は事務職場にも必要なのか、その設置要件・開催頻度・構成員について解説しました。

まとめると

  • 事務職場でも、常時50人以上の労働者を使用している事業場では衛生委員会を設置しなくてはならない。※安全衛生委員会でなくてよい
  • 衛生委員会は毎月1回開催しなくてならない。
  • メンバーは①総括安全衛生管理者又はそれに準ずる者、②産業医、③衛生管理者、④衛生に関する経験を有する労働者 であり、①以外の半数は労働者の過半数を代表するものの指名にもとづくこと。

法令によって定められています

ご自分の職場が該当したら、まずメンバーと開催日を決めるところから始めましょう。

せり
せり

最後までお読みいただきありがとうございました。

次は、これも相談の多い衛生委員会の議題についてお話しします。

またお会いしましょう。