※読みやすく書き直しました

こんにちは、せりです。
今回は、わたしが職場巡視ではじめにチェックしているポイントをご紹介します。
これまでに遭遇した事例もあげていますので、参考になれば嬉しいです。
今でこそ職場巡視はわりと好きな業務になりましたが、産業医になりたての頃は、職場巡視が本当に苦手でした。
職場巡視の本や産業医研修会の講義によれば、職場巡視でみるべきポイントは信じられないくらい沢山あります。
でも、方向音痴+人見知りのわたしにとって、
それら全部をこなしながら職場巡視で見るべきポイントをあまさずチェック!!
なんて、とても無理でした・・・
今回は、そんなわたしが、事務職場の職場巡視ではじめにチェックしているところを、これまでに遭遇した事例と合わせてご紹介します。
ぜひ最後までお読みください。参考になったら嬉しいです。
一度の巡視で全部を見なくても大丈夫
職場巡視のチェックポイントは沢山あります。
チェックリスト (下欄参照) の通りに見ていくにしても、事務室の隅々まで全部の項目についてチェックするなんて、目がいくつあっても足りない!とあせってしまいますよね。


でも、過去に参加した産業医研修会で講師の先生がおっしゃっていました。
「職場巡視は一度だけではなく、何度も巡視することで徐々に(職場を)改善していくものです」
「行くたびにテーマを決めてそこを重点的に見ていくのもよいです」
そうだったんですね!!
よく考えてみたら、職場巡視は1回きりではありません。来月になるか、もっと先になるかは職場によっても違うにしても、そこの職場にはこの先何回も巡視にいくはずです。
わたしが愛読している「嘱託産業医のためのQ&A」(労働調査会)にも、
”指摘することだけが職場巡視の目的ではなく、職場とコミュニケーションをとること、職場を知ることが最大の目的”
と書かれています。
巡視に来られた職場だって、いきなりやってきた産業医にあれもこれもと沢山ダメ出しをされても、そんなにいっぺんに改善できませんし、よい気持ちはしませんよね。
1回にすべてをチェックしなくては!と頑張りすぎることはないのでした。
では、どこから見ていくことにしたのか、わたしの方法を紹介します。
職場のアピールポイントとお困りポイントをチェック!
職場巡視に行ってあいさつをしたら、わたしは職場の責任者の方にまず聞きます。
「ご自分の職場の良いところを教えてください」
「職場環境を良くするために頑張っている点はありますか?」
「何もありません」などという謙虚な発言に対しては、「少しでもいいですから」「なんでもいいですから」と食い下がって少しでも良い点を聞き出します。
職場の人が自分で自信を持っている点を知るのは産業医活動をしていくうえでも重要ですし、良い話を聞くと嬉しいものです。
そして、次はこう聞きます。
「職場で困っているところはありますか?」
暑い、寒い、狭い、物の置き場がないなど、こちらは比較的すぐに出てきます。
困っている点は巡視で確認し、一緒に対策を考えるようにしています。
気温や明るさなどについて言われることは多いので、温湿度計と照度計は必ず持っていきます。
良いところを見つけてほめる!
今までその職場ではたらいてきた人たちは、大なり小なり自分の職場に愛着があるので、よく知らない人に上から目線でけなされたらいい気分はしません。
「安全で快適な職場のために、できていない点を指摘しなきゃ!!」と目を三角にして職場を見回しても、うっとおしがられるだけです。
ですから、良い関係を築いてこの後の指摘事項を素直に聞いてもらうためにも、まず良いところをほめます。
ーーなんて、偉そうに言っていますが、わたしがこのことに気づいたのは産業医になって何年も経ってからでした(未熟者…)。
良いところをほめるのは実は難しくありません。
チェックリストで問題がなかったところを、口に出して「ここは良いですね」と笑顔でいうだけ。
はたらいている人が当たり前だと思っているところを、「職場環境を良くするために大変良い取り組みをしていますね」と認めることで、そこではたらく人たちが自分の職場環境に自信をもち、もっと良くしようという主体的な姿勢が出てきたら嬉しいと思っています。
地震や火災などの際に危険がないかチェック
事務職場は、有害な物質をあつかうわけでもなく、危険な作業もないので、大きな事故につながるリスク要因はほとんどありません。
ですが、そんな事務職場で大きな事故が考えられるとき。
それは災害時です。
地震や火災などの災害が起きても、はたらく人たちが安全でいられるかどうか。
命にかかわることですし、防災対策をしていなくて事故が起きたときには安全配慮義務違反に問われることがあるので、優先的にチェックします。
- 消火器がわかりやすいところに置かれていて表示がされている
- 地震の時に倒れないよう、棚やロッカーが固定されている
- テレビ、プリンターなどが固定されている
- 高いところに重いものを置いていない
- 壁面収納の扉の耐震ラッチが破損していない
- 避難経路までの動線が確保されている(走ってでもいける)
はじめにここをチェックする利点は以下のとおりです。
これまでに見てきた問題事例
ロッカーの上に重い物を置いている、ロッカーを固定していない、プリンターを固定していないなどの(ふつうの?)事例もよくあります。
職場の人に地震対策をしているかと尋ねると、対策されていると思いこんでいる(実際にはされていない)ことがけっこうあります。特に、異動の多い職場は要注意です。
ですから、ちょっと大変ですが、わたしは踏み台を持ってきてもらって自分で固定状況などを確認するようにしています。
ダメ出しと対策はできればセットで
固定していないことは見ればわかるのですが、ではどうしたらいいか、ということが問題です。
防災対策が必要なのはわかっていても、やり方がわからないとめんどくさくて後回しにしがちですよね。
速やかに改善してもらうためにも、できる限りその場で(または巡視報告書の中で)改善策も提示するようにしています。
オフィスの地震対策について、どのように固定したらよいのか、オフィスのレイアウトはどのように考えたらよいのか、わかりやすく解説されているのが、以下のサイトです。
JOIFA(日本オフィス家具協会)ホームぺージ内「オフィスの地震対策」
東京都防災ホームページ内「オフィスの家具類防止転倒対策」
予算がなければ、小さなテレビの固定ならガムテープ固定でもなんとかなりますし(経年劣化に注意)、プリンターのすべり止めも100円ショップで買ったものでも、やらないよりましなのではないかと思うのです。
ちょっと手をつけると、もう少し良くしたくなるのが人情です。
できるところから一緒にアクションを起こし、定期的に見直すことで安全な職場を作っていけたらよいな、と思っています。
まとめ
事務職場の職場巡視で、初めにチェックしているポイントをご紹介しました。
- 職場の人に職場の良いところと困っているところを聞く
- できているところを評価する(ほめる)
- 災害への備えができているかチェックする
多くの産業医業務と同様、職場巡視にも【これが正解】というものはなく、その職場ごとに良い方法があると思います。
ですから、これはあくまでもわたしの方法です。
次回は、この続きを書きたいと思います。
参考になれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも一緒によりよい職場づくりを考えていきましょう!