職場巡視(事務職場)をしました ~2回目以降のチェックポイントは4Sと作業姿勢

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※読みやすく書き直しました

せり
せり

こんにちは!せりです。

前回は職場巡視に行ってわたしがまずチェックしていることをお伝えしました。

今回は、わたしが2回目以降の巡視では何を見るのか、実際の事例も交えてご紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

前回の記事では、職場巡視をこのように考えました。

  • 職場巡視の最大の目的は、職場とコミュニケーションをとること
  • その職場にはこれから何度も巡視に行くので、一度ですべてを見ようとしなくても大丈夫

それをふまえた上で、わたしがまずチェックしているポイントがこちら。

  • 職場のアピールポイント、お困りポイントを職場の人に聞く
  • 良いところを見つけてほめる
  • 地震や火災などの際に危険がないかチェック

何回か職場巡視に行ったら、次は何か一つテーマを決めてそこを重点的にチェックするようにしています。
そうすることでマンネリも防げますし、より細かい指摘もしやすくなるからです。

この記事では、災害対策のほかにわたしが決めているテーマを2つご紹介します。

4S(整理・整頓・清掃・清潔)

4S(整理・整頓・清掃・清潔)をテーマにするのは、なにも窓枠を指でツツっとなぞって
「まだホコリが残っていますね」とアラさがしするためではありません(古い・・・)。

事務職場であっても4S(整理・整頓・清掃・清潔)は必要なのです。

どういうことか、長時間勤務者面接実際に聞いた話をご紹介しましょう。

「今の職場は、書類が整理されていないんです。どこに何があるかわからないので、必要な書類を探すのに時間がかかって、こんなに残業が多くなってしまいました」

「事務室は、いろんなところにコピー用紙やら封筒やら、これから配る予定のパンフレットやらが山積みになっていて、中で仕事をしていると本当にイライラします」

このように、職場の整理整頓ができていないと、長時間勤務の原因となったり、はたらく人のメンタルに影響したりします。

空調を入れると咳が出てツライです

と言われたこともありますが、
わたぼこりが舞うような職場では、ぜんそくや鼻炎などのアレルギー疾患のリスクもありますので、清掃状況は確認する必要があります。

また、空調については事務所衛生基準規則に沿った検査結果も合わせてチェックが必要です。

冷蔵庫の中もチェック!

冷蔵庫は、必ず中を確認することにしています。巡視を始めたばかりのころは、持ち主不明の賞味期限切れ食材がよく入っていたからです。
(未開封のものだけでなく、使いかけ調味料、飲みかけペットボトルも賞味期限切れのものが…)

冷蔵庫に入れていても、食べ物は時間がたてば傷みます。間違えて口にすると食中毒のリスクがあるのはもちろん、そうでなくても冷蔵庫内に雑菌が繁殖する恐れがあります。

何度か巡視で指摘しているうちに、冷蔵庫の上に付箋とペンをおき、冷蔵庫に物を入れる時には名前を書くというルールができて、今ではそのようなことはほとんどなくなりました。

新型コロナ対策もチェック!

新型コロナ感染症が流行していたころは、ドアノブや電話器などみんなで触るものを定期的に消毒しているかどうか、定期的に換気をしているか、なども確認していました。

事務職場に4Sを定着させるには

書類の整理整頓や、事務室の清潔・清掃の必要性は、その職場ではたらく人が一番わかっているはずです。

そもそも、事務所は6か月に1回、日常の掃除のほかに大掃除をしなくてはいけないと定められています(事務所衛生基準規則第15条)。

それをしない理由は「時間がない」「上司がそれを必要と思っていない」の2点につきます。

ですから、まず整理整頓を怠ることによって起こる損失を上司に理解してもらうことが必要です。
理解してもらえたら、大掃除を忘れずに行う取り組みとして、年間予定に組み込むことをお勧めしています。

新型コロナウィルス感染症後、職場の懇親会は少なくなりましたが、過去には夏と冬の職場の懇親会(ビールパーティと忘年会)の日は大掃除をすると決めていた職場がありました。

懇親会の効用については賛否両論あるところですが、それはともかく、職場のみんなで協力して大掃除に取り組むことは職場の一体感を高め、はたらく人のワークエンゲージメントを高めるためにも有効だと考えられます。

整理整頓や大掃除はめんどくさいですし、時間もとられますが、その価値は十分あります。

作業姿勢(事務職場でも重要です)

職場巡視に何度か行って、そこではたらく人たちとそれなりに良い関係を築けたら、巡視のテーマに作業姿勢を入れます。

1日8時間もしているデスクワーク。それを間違った姿勢で続ければ、頭痛・肩こり・腰痛、手足のしびれ、眼精疲労などの原因になりますので、皆さんに正しい作業姿勢を知ってもらわなくてはなりません。

しかし、「姿勢が良くないですね」と指摘するのは、「ロッカーが固定されていませんね」と指摘するのと比べて、直接ひとに指摘する分、ハードルが高いです。

そこで、作業姿勢をテーマにする前に職場に予告をすることにしました。巡視の終わりにデスクワークの姿勢についてちょっとした講話をしたり、チラシを配ったりしたあと、「来月の巡視は作業姿勢を重点ポイントにします」とお伝えするのです。

そうすると、皆さん作業姿勢に関心をもち、少し気を付けてくれるようになるので、次の巡視の時にスムーズに理解してくれます。

わたしの職場は事務職場で、基本的に皆さんはノートパソコンで仕事をしています。

体に負担がかかる作業姿勢として、よくあるのはこんな姿勢です。

  • パソコン画面が低すぎて背中が丸まっている
  • パソコンと自分の間に書類を置いて覆いかぶさるような姿勢で入力している
  • パソコンを机の横に置いていて、入力するときに体をひねった姿勢になる
  • 机の下に資料や物を入れすぎて足が自由に動かせない

事務室が狭い机が狭い、そもそもノートパソコンは人間工学的に体に負担がかかりやすいなど、すぐには改善が難しいものもありますが、変えられるところから変えていって、少しでもラクに仕事ができる方法を一緒に考えていきたいと思っています。

まとめ

事務職場の職場巡視をテーマを決めて行うシリーズ2回目。

今回は4S(整理・整頓・清掃・清潔)作業姿勢についてご紹介しました。

忙しい職場であればあるほど、4Sも作業姿勢も乱れがちです。

「それどころじゃありませんよー!」というはたらく人たちの心の叫びも感じられます。

でも、産業医は、職場にケチをつけに行っているわけではありません。

仕事がもっとラクにできる方法、体に負担がかからないやり方をはたらく人に伝えに行っているんです。

それがちゃんと伝わるように頑張りたいと思っています。

せり
せり

最後までお読みいただきありがとうございました!

またお会いしましょう。