
こんにちは!せりです。
長時間残業、お疲れ様です。
そんな中、とつぜん産業医面接に呼ばれたらびっくりしますよね。
長時間残業をした人が産業医面接でなにを聞かれるのか、年間600件の面接をしていたせり産業医が解説します。
長時間の残業をしてたら産業医に呼ばれた!何を聞かれるか心配・・・。
気持ちはわかります。面接で何かイヤなことを言われたらどうしよう、上司に何か告げ口されるんだろうか、と心配になりますよね。
でも、大丈夫!
年間600件の面接をしていたせり産業医が、長時間残業をした人が産業医面接で聞かれることを教えます。
あくまでもわたしの場合は、ということなので、すべての人にあてはまるわけではありませんが、参考になれば嬉しいです!
そもそもなんで面接に呼ばれたの?
平成31年のいわゆる【働き方改革関連法】により、職場には【長時間労働者に対する面接指導】つまり、
沢山残業をした人に面接指導を受けさせること、
面接結果を5年間保存することが労働安全衛生法で義務付けられました。
面接が必要な人は以下の通りです。

ざっくり言うと、
- 月に80時間超えの残業 + 疲労の蓄積 + 本人の申し出 → 産業医面接
- 月に100時間超えの残業 → 産業医面接
ということです。
「疲労の蓄積」をどうやって判断するかは決められていないので、それぞれの職場により自己申告、疲労度チェックリストなどさまざまな方法がとられています(サイト「こころの耳(厚生労働省)」にはWeb上でできる疲労度チェックリストがあります)。
また、上で示しているのはあくまでも法律で定められた最低限なので、職場によってはもっと手厚く、
例:申し出をしなくても月に80時間を超える残業をしたら産業医面接
というように決めている職場もあります。
なんで産業医に呼ばれたか、ぴんときましたか?理由がわかると少し安心ですよね。
では、実際の面接では何を聞かれるのでしょう?
面接で聞かれること
面接で聞かれることは大きく分けて2点。
健康状態と仕事の状況についてです。
面接をする医師(必ずしも産業医とは限りません)によって違いはありますが、聞かせてもらいたい内容はこんな感じです。

え、こんなに聞かれるんですか!?
一日終わっちゃう
安心してください。
面接時間はだいたい20分~30分くらいに設定されていることが多いと思います。
ですから、実際にはこれらの質問を全部するとは限りません。
面接前にこれらの質問が書かれたチェックリスト(問診表)に答えてもらって、その中から気になったところをピックアップして確認していくのが普通です。
安心しましたか?
意外と普通のことしか聞かれないですよね?

でも、仕事や上司のことを悪く言ったら、職場に報告するんでしょ?
うーん、そうとも限らないのですが、少し解説をしましょう。
結果を上司に報告する?
結果を上司に報告するか、結論から言ってしまうと、
面接結果は上司(職場)に報告されます。
なぜなら、上にも書いたように、職場は【長時間労働者に対する面接指導】つまり、
沢山残業をした人に面接指導を受けさせること、
面接結果を5年間保存することが労働安全衛生法で義務付けられているからです。
でも、面接にきた人の言ったことを、何もかも報告書に書くのかといえば、そんなことはないんです。
あくまでもわたしの場合は、ですが、
ストレスが深刻でメンタル不調になりかかっているとか、自傷他害のおそれがあるなどの深刻な場合以外は、ちょっとくらい上司や職場の愚痴を言っても書かないことが多いです。
(本人に書いてほしいと言われれば「○○について不満に思っているようだ」と書きます)

報告書に書くかどうかの基準はどこ?
報告書に書く基準は、なんのためにこの面接があるかを考えるとすっきりわかります。
長時間勤務者に対する面接の目的
長時間勤務者に対する面接指導の目的は大きくわけて2つです。
- 長時間の勤務をすることによって身体の病気になることを防ぐこと
- 長時間の勤務をすることによってこころの病気になることを防ぐこと
医師は、いろんな質問をすることでいま病気の兆候があるかどうか、いまの時点での病気になるリスクがどのくらいあるかを評価します。
例えば、定期健康診断で「要精密検査」や「要再検査」の項目があったり、忙しすぎて睡眠時間が4時間くらいしか取れないのなら、リスクは高めだと考えられます。
ときどき、面接で職場に対する怒りや上司に対する不満をすごい勢いで訴えてくる人もいますが、医師としてはその内容もさることながら、そこに病的なものがあるかどうかを判断しています。
そして、リスクを評価したら、それを減らすためにできることを考えます。
病気になるリスクを減らす方法は大きくわけて4つです。
- 生活上の問題点があったらそれを改善する方法を伝える(保健指導)
- 詳しい検査や治療が必要だったら医療機関を受診するように勧める(受診勧奨)
- はたらく時間やはたらき方に制限をかけることを勧める (就業規制)
- 職場の人間関係、仕事の進め方、物理的環境などを改善することを勧める(職場環境改善)
この4つの方法は、どれか1つだけを選ぶとは限りません。場合によっては全部必要なこともあるでしょう。
報告書に書くのは、リスクを評価した結果と、それをリスクを減らすための方法です。
厚生労働省が出している【長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書・意見書作成マニュアル(H27)】の、面接指導結果報告書と就業上の措置に係る意見書(この2つでA4用紙1枚程度)の例を見てみましょう。


これらの様式にきまりはないので、面接をする医師や会社が独自の様式を使うことはありますが、面接の目的を考えればそう大きく違うことはないと思います。
「面接結果報告書」には勤務状況を記載し、定期健康診断の結果や本人からの聞き取りに基づいて身体の病気のリスクを評価しています。
「就業上の措置に係る意見書」では、上で記載したリスクを減らすために、残業時間を減らしたり、休憩時間をとったり、定期的に受診するように勧めています。
この例では身体のリスクについて書かれていますが、メンタルのリスクがある場合も同様です。
医師の意見は全部通るの?
そんなことはありません。
この面接では医師はあくまで「勧める」のが仕事です。
「就業上の措置に係る意見書」で、医師は意見を述べますが、これだけでは実効性はありません。
先ほどご紹介した「就業上の措置に係る意見書」一番下の ”その他” の欄に「就業上の措置を決定する際には、本人の意見を十分に聴くことが必要」と書かれていますが、それが書かれていなくても、実際にどうするかは、
本人と職場、場合によっては産業医が加わって、みんなで話し合って決めます。
産業医の一存で決めることはできませんし、職場が勝手に決めることもできません。
この距離感がわかれば、面接も怖くありませんね!
まとめ
長時間労働者に対する面接について以下のことを解説しました。
- 面接の対象者
- 面接で聞かれること
- 面接の目的
この面接では、はたらく人の現在の健康リスクの評価とリスクを減らすためにできることの提案が行われます。
わたしは、面接の最後に必ず「上司に内緒にしたいこと、または言いたいことはありますか?」と聞くようにしています。
はじめは緊張していた人も、ほとんどの人が最後には笑って「特にありません」答えます。
皆さんが、自分の満足できるはたらき方をするお手伝いができたら嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!
あくまでもわたしの面接のやり方なので、先生によって違うところもあると思いますが、参考になったら嬉しいです。
またお会いしましょう。